写真集46:釧網本線「川湯駅」
北海道東部の釧網本線、網走-釧路間169.1Km、オホーツクから太平洋へ走り抜ける線で、海、山、湿原、湖と変化に富んだ風景を車窓から見る事が出来ます。かってはC58が走っていましたが、2000年から釧路-標茶(川湯)間をC11が冬の湿原号として復活しました。毎年、1月の湿原号の運行は川湯温泉駅まで延長されることがあり、その時に合わせて川湯温泉駅から緑駅に向かう列車の出発風景を撮影しました。
・・・深々と身体に突き刺さるような冷たい空気に覆われ、吐く息がどこまでも白く残ります。待つ事暫し、弟子屈方向の暗闇の中に一点のライトが浮かび上がり川湯駅に向かってきます。徐々にスピードを落として駅に停車、慌ただしく連続で3枚を撮影、時間的余裕が生まれたので、じっくり機関車を観察すると、カマがC58213だと認識出来ました。ナンバープレートが縦23cmの大型板なので細身のボイラーのC58だと少し大きく(不釣り合い)感じてしまいます。
定刻に汽笛一声、力強いドラフトとともに緑駅に向かって走り出します。構内を照らし出す灯りが蒸気機関車と客車の輪郭、一条に伸びる煙を浮かび上がらせます。ドラフトの音が遠ざかり走り去ったあとには、また、静寂の世界が戻ってきます。・・・
33年も経て同じ月での撮影となりましたが、静けさ、寒さは同じような印象うけました。今回は同業者も無く一人での撮影となりましたが、C58と同じような地点で撮影が出来、感慨もひとしおでした。この日の宿はもちろん川湯温泉!冷え切った身体をゆっくりと温泉で温めました。(2007年1月) |