写真集35:釧網本線「川湯駅-緑駅間」
北海道東部の釧網本線、網走駅-釧路駅間169.1km、オホーツクから太平洋へ走り抜ける線で、海、山、湿原、湖と変化に富んだ風景を車窓から見る事が出来ます。かってはC58が走っていましたが、2000年から釧路駅-標茶駅(川湯温泉駅)間をC11が冬の湿原号として復活しました。毎年、1月の運行は川湯温泉駅まで延長されることがあり、その時に合わせて川湯温泉駅から緑駅に向かう列車を撮影しました。
・・1974年の元旦を川湯の宿で迎えました。この時期、川湯の外気温はマイナス20℃前後!ガラスと隙間風用に貼られたビニールとの間に氷の結晶の花が咲いています。
元日の朝の列車を撮るべく川湯駅から緑駅に向かって長い直線の線路に沿って突き当たりの山を目指します。汗をかきながら山のを登ること数十分、眼下に直線の線路と同じ高さぐらい?になった硫黄山を見てとれます。待つこと一時間弱、川湯駅発車の汽笛が聞こえ、ほどなく列車は直線をこちらに向かって走ってきます。レリーズを押し、巻き上げレバーを回している最中に一台のカメラ(カラーポジフィルム用)が寒さのためか?突然動かなくなりました。多少動揺はしましたが、もう一台は最後まで撮影することが出来ました。・・・
川湯温泉駅近くの踏切での撮影となります。昨日は綺麗に見えていた硫黄山に雲がかかっていますが線路上には朝日が当たっています。川湯温泉駅を出発したDCが踏切に向かってきます。その後、33年前に歩いたであろう直線を雪煙をまきあげながら走りすぎていきました。撮影当時、線路右脇に植林された木々は30年余りの時を経て山からの俯瞰撮影では線路が隠れるぐらい大きく成長していました。(2007年1月)
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